オフィス移転業者に依頼する必要性とは
現在のオフィスから近い場所に移転する場合、会社の規模によっては社員だけで引っ越し作業をすることも可能です。業者に依頼するよりも費用を抑えられますし、業者とのやり取りをする必要もないのでそういった点では魅力的かもしれません。
しかしオフィスを移転する際には、よりよい職場環境にするためにレイアウト変更をしたり素敵なオフィスデザインを求めたりするケースも多いです。しかしレイアウトやデザインは簡単にできるものではなく、通常の業務と並行して行なうのは非常に困難だといえます。
またオフィスデザインと事務所移転業それぞれの専門業者に依頼すると、多くの手間やコストがかかってしまうので、できれば避けたいところではないでしょうか。そんなときに検討したいのが、オフィス移転業者を活用することです。
オフィス移転業者はデザインの専門家や移転の専門家が在籍し、レイアウトや移転作業など企業に合わせた最適な提案を行なうことができます。社員の負担を減らすためにも、また快適で魅力的なオフィスにするためにも、オフィスの移転は専門業者に任せるのがおすすめです。
オフィス移転業者が対応できるサービス内容
オフィスの移転には、膨大な時間と労力がかかります。内装のプランニングや書類作成など、専門的な業務も多いため、自社でまかなえない場合にはオフィス移転業者を依頼するのがおすすめです。そこで、オフィス移転業者の種類ごとに対応しているサービス内容を詳しく解説します。
不動産会社
不動産会社は、移転先の希望条件をもとに、提案や仲介を行っています。オフィス移転においては、理想の物件を探すのにかかる手間や時間が多くかかります。
具体的に理想の物件の条件を書き出すことで、時間短縮が図れます。
オフィスの内装工事業者
オフィスの内装工事業者は、移転先の内装工事や現在のオフィスの原状復帰を専門的に担っています。内装工事業者の多くは、定められたレイアウトに沿って業務にあたっており、デザインのレイアウト作成には力を入れていないことがほとんどです。
オフィスのインフラ業者
オフィスのインフラ業者とは、水道や電気、空調、インターネット回線などのインフラ周りを専門的に工事しています。オフィスにおいては、コンセントの数や空調設備などが重要な要素となり得ます。
入念に検討するようにしましょう。
オフィス家具・什器メーカー・レンタル業者
オフィスの机やイス、棚などの家具や什器を専門的に取り扱っているメーカーやレンタル業者が存在します。元々使用していた什器をそのまま使うという手もありますが、移転先で心機一転したいという場合には、メーカーやレンタル業者に問い合わせる必要があります。
オフィスの引っ越し業者
オフィスの引っ越し業者は、旧社屋から新社屋へと棚や什器の移動のみを担っています。オフィスの引っ越しには時間が掛かるため、引っ越し日が決まったらなるべく早めに手配することで、スムーズに移転作業を進められます。
総合オフィス移転サポート業者
総合オフィス移転サポート業者とは、前述した物件探しからレイアウト作成、家具の用意、引っ越しまでをトータルサポートしている業者のことです。オフィス移転業者といえば、トータルサポートを担う業者を指すのが一般的です。
業者によってサポート内容や強みに差があります。オフィス移転を検討している場合には、総合的にサポートを行っている業者に依頼することで、自社の負担を軽減することができます。
しっかりとスケジュールを立てて作業にあたるため、効率的に移転業務を進められます。
オフィス移転までにやるべきこと
オフィス移転までにやるべきこととしては、大きく分けて6つあります。それぞれ詳しく解説します。
現オフィスの課題を洗い出す
まずは、現在のオフィスに関する課題を洗い出すことが重要です。必要に応じて社内ヒアリングや調査を実施して、移転に際する目的や移転することで達成したいことを整理しておきましょう。
課題を書き出したら、次に新オフィスの選定に移ります。オフィスは企業の顔となる空間なので、なるべく妥協することなく、理想を満たした物件を探しましょう。
オフィスはブランディングの意味合いも大きいため、選定には時間をかける必要があります。取引先や社員の住居からアクセスしやすい場所であることも重要な要素の一つです。
なぜなら、関係者が通いづらいオフィスは、業務にも支障をきたしかねないからです。現状のオフィスが持つ課題を解決できるような物件選びを心がけましょう。
現在のオフィスの解約について確認
現在入居しているオフィスの解約は、移転のスケジュールに大きく影響を及ぼします。賃貸契約書を確認し、「解約予告期間」「原状回復」「預託金の返却時期」などの項目をチェックしておきましょう。
なお、解約予告期間については、解約日の6か月前までの申し出が一般的ですが、物件によっては異なるケースもあります。違反してしまうと違約金が掛かることもあるため、事前によく確認しておきましょう。
場合によっては、移転先のオフィスと合わせて二重に賃料を払わなければならないこともあります。しかし、解約予告期間はオーナーに交渉できる場合もあるため、必要に応じて相談してみましょう。
オフィス移転業者の選定
オフィス移転には、数多くの手続きが必要であり、膨大な時間が掛かります。自社のリソースを割けないという場合には、オフィス移転に特化した業者に依頼するのも一つの手です。
オフィス移転業者には、それぞれ対応範囲や得意分野が存在します。引っ越し業務や内装のプランニング、原状復帰など、とくに任せたい分野を絞り込んで業者を選定すると良いでしょう。
移転業務のすべてを依頼するという場合には、移転費用が多く掛かる可能性があります。中には、自社でまかなえる場合もあるため、予算に応じて検討しましょう。
移転のスケジュールを立てる
オフィスの移転には、最短8か月から長いと1年以上の期間がかかります。移転予定日から逆算して、おおまかなスケジュールを立てておきましょう。
具体的にスケジュールを立てることで、業者との打ち合わせもスムーズに進められます。オフィス移転業者とスケジュール調整ができるため、認識が揃えやすくなります。
最低でも移転予定日の8か月前までには、おおまかな移転のスケジュールとフェーズごとにやるべきことを書き出しておくことをおすすめします。オフィス移転業者にトータルで依頼する場合は問題ありませんが、一部の作業を自社で行う場合には、スケジュールに間に合うように作業を進める必要があります。
レイアウトのプランニング
オフィス移転の手配をする前に、移転先のオフィスのレイアウトをプランニングしておきましょう。レイアウトには、デザイン性やインテリアコーディネートの一面もありますが、何よりも仕事がしやすい環境を整えることが重要です。
部署ごとに必要なスペースを確保し、それぞれに必要な什器や家具を割り振っていきましょう。また、従業員が通る動線も意識したプランニングが大切です。
業務スペースを取りすぎてしまうと、通路が狭くなりすぎて移動がしづらくなる可能性もあります。現在のオフィスを基準にしてしまうと、引っ越し後にトラブルが発生するリスクもあります。
オフィスのレイアウトをプランニングする際には、新しい家具や什器を想定して配置を決めましょう。移転の際には、不要なものを思い切って処分するのも一つの手です。
取引先への連絡
オフィスを移転する際には、取引先への連絡が欠かせません。とくに、お世話になっている企業に対しては、必ず新しい住所を伝えることを忘れないようにしましょう。
警備会社やリース会社、加入団体などへも引っ越しの書面を送付することを心がけましょう。文面は失礼がないように注意し、日ごろの感謝の気持ちが伝わるような内容になるようにすると良いでしょう。
なお、取引先と交わした契約書などには、以前の住所が記載されています。新しい住所に変更するかどうかについては、話し合って決定しましょう。
中には変更を希望する企業もあるため、契約書を交わしたすべての取引先に確認しておくことをおすすめします。住所変更に伴う事務作業が発生する可能性があるため、取引先への連絡は、1か月前から最低でも2週間前までには行いましょう。
ハガキの方が誠意が伝わりやすいですが、それほど深い付き合いでない企業に対してはメールでも構いません。
オフィス移転までの流れ
オフィス移転には、一般的に8か月ほどかかります。オフィス移転にかかる5つのステップについて詳しく解説します。
移転先の選定
オフィス移転において、最初に移転先の選定を行います。初めにチェックすべき項目は立地と家賃や共益費、更新料といったコスト面です。
また、空調や電気容量といったオフィス設備や周辺環境についても働きやすさに影響する要素なので、合わせて確認しておきましょう。物件選びの際には、実際に足を運んで現地調査するのがおすすめです。
現地調査の際には、近くに飲食店やコンビニ、銀行などがあるかどうかを確認しておきましょう。さらに、ビル周辺の治安についても注意が必要です。
仕事終わりに安心して従業員が帰れるかどうか、夜間の環境についてもチェックしておきましょう。
コンセプトを設定
オフィスのレイアウトをプランニングするためには、コンセプトを決めることが重要です。オフィス移転に対する目的や実現したい働き方について考え、具体的にコンセプトを定めましょう。
コンセプトが決まったら、レイアウトと合わせて内装工事を計画します。内装はオフィス全体の印象を左右する重要な要素なので、慎重に検討することをおすすめします。
とくに、内装に使用する色や柄が企業のブランドやイメージにふさわしいものかどうか、確認しながら計画を立てましょう。電源の配置や予算についても合わせてチェックしましょう。
オフィス家具やインフラ工事の手配
オフィス家具の手配やインフラ工事の手配については、レイアウト作成と同時進行で進めていきます。まずは、家具やOA機器について、不要なものを洗い出しておきましょう。
次に、電話回線やインターネット回線などを専門業者に手配します。机やイスなどをリース契約している場合には、継続の可否を判断しましょう。
新たに購入するという場合は、什器メーカーに問い合わせる必要があります。家具の手配やインフラ工事の手配については、複数社に相見積もりを取るようにしましょう。
施工管理
移転の3か月前までには、移転業務に関するすべての業者と打ち合わせを進めておきましょう。スケジュール感に齟齬が生じたままだとトラブルに繋がりかねないため、常に連携を図りましょう。
業者ごとに作業範囲が異なるため、あらかじめ確認しておき、漏れのないように注意しましょう。また、施工管理と合わせて、引っ越しに必要な届け出や手続きを進めます。
届け出の内容によっては、簡単に終わるものもありますが、中には手間のかかる書類もあります。たとえば、引っ越しに伴って「転居届」を郵便局に提出する必要がありますが、持参もしくはオンラインにて申請することができます。忙しくて足を運べないという場合には、オンラインで済ませるというのもおすすめです。
また、移転先を管轄している消防署には、「防火・防災管理者専任届出書」を提出します。企業がオフィスを構える際には、防火や防災に対する責任者について消防署に伝えなければなりません。
移転に伴って管轄が変更となる場合には、必ず書類を提出しましょう。提出には期限が設けられているため、注意しましょう。
オフィス運用
引っ越し作業がすべて完了したら、オフィスの運用がスタートします。移転後は、設計通りに工事が行われているかどうか、家具や什器の配置について最終チェックしましょう。
また、移転先への引っ越し後は、以前のオフィスの原状回復工事に着工します。解約日までに撤収作業や修繕を完了させましょう。
工事期間の目安は、約1か月です。打ち合わせ通りに工事が進められているか、随時確認しましょう。可能であれば、定期的な進捗報告を依頼しておくと良いでしょう。
オフィスの移転後には、各所への届け出が必要となります。主に、法務局や税務署、社会保険税務署、労働基準監督署、公共職業安定書などが挙げられます。提出には期日が設けられているものもあるため、遅れないように注意しましょう。
たとえば、法務局の場合、本店は移転日から2週間以内、支店は移転日から3週間以内に本店(支店)移転登記申請書を提出する必要があります。また、年金事務所の場合は、移転後5日居合に健康保険・厚生年金保険適用事業所名称・所在地変更届を提出しなければなりません。
移転に伴って必要となる行政手続きは、期日と合わせてリストアップして忘れないように提出しましょう。
オフィス移転を依頼できる会社の種類と特長
オフィス移転を依頼できる会社として、おもに「引越サービス」と「オフィスデザイン会社」があります。ここではそれぞれの会社の特長などを詳しくご紹介していくので、どのような会社に依頼するか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
引っ越しサービス
引越サービスは引っ越し専門の業者です。オフィスはもちろん家庭向けの引っ越しサービスを行っているため、多くの方が利用した経験があるかもしれません。法人向けの引っ越しサービスでは、荷物の運搬のほかにオフィスレイアウトや内線工事などを行っている会社もあります。
しっかりとした社員教育を行っていたり、引っ越しに関するノウハウが充実していたりするので、移転に関して非常に高い技術を持っている会社も多いです。またスタッフの作業スピードも早く移転作業が短時間で完了するのも魅力です。
ただし引っ越しサービスでもオフィスデザインやレイアウトには対応しておらず、荷物の運搬や配置のみを行っている業者もあります。さらにデザイン会社のような専門的なデザイン技術を持ち合わせておらず、画一的な提案しか行っていない業者もあるので求めているデザインを実現してくれるかどうかを見極める必要があります。
オフィスデザイン会社
オフィスデザイン会社は会社ごとに提供しているサービスが異なります。レイアウトの考案はもちろん、ネットワーク工事や廃棄物の引き取り、また原状回復工事などにも対応している会社もあるので、事前にどこまで対応してくれるのかを確認しておくといいでしょう。
オフィスデザイン会社にはデザイン設計を専門的に行なうプロがいるので、依頼する方の希望に合わせたデザインを提案できるという強みがあります。たとえば移転先では開放感のあるオフィスにしたいと伝えれば、それに併せてレイアウトやインテリアの提案をしてもらうことができるのです。
また見た目やイメージだけではなく、動線などの機能面についてもプロの目線から考えてくれるのもオフィスデザイン会社の魅力です。見た目ばかりがよくて使いにくいオフィスでは、社員がストレスを感じてしまう可能性もあるので、そういった面も踏まえて相談してみるといいでしょう。
単純に移転だけするのであれば豊富なノウハウを持っている引っ越しサービスがいいかもしれませんが、快適なオフィス環境の構築や新しいオフィスで必要な工事まで対応してもらいたい場合は、オフィスデザイン会社に依頼するのがおすすめです。
オフィス移転をデザイン会社に依頼するメリットや期待できる効果とは
オフィスは使い勝手が悪かったり狭かったりなどの問題を抱えていると、仕事の効率を下げてしまう可能性があります。そういった問題を解決するためには、オフィスデザイン会社に依頼して働きやすい環境を提案してもらうのがおすすめです。ここではオフィスデザイン会社に依頼することで感じられるメリットや、期待できる効果についてご紹介します。
企業のイメージアップ
オフィスデザイン会社に依頼し、おしゃれで快適なオフィスにすることで、オフィスを訪れたお客様に良い印象を与えることができます。さらに会社案内やホームページなどにオフィスの写真を掲載すれば、訪れたことがない方にも魅力を感じてもらうことができ、それらが企業のイメージアップに繋がります。
つまり企業のアピールやブランディングをしたい場合に、オフィスデザインを検討することは非常に重要なポイントとなります。だからこそ企業のコンセプトやなりたいイメージに合わせた設計をしてくれるオフィスデザイン会社に依頼するのがおすすめです。
採用への効果
オフィスのイメージが良くなると、採用への効果も期待できるようになります。オフィスがおしゃれで使いやすいことでイメージがよくなり、働きたいと思ってくれる人が増えるのです。
同じ業務を行なうのであれば、環境の悪いオフィスよりも環境がよく働きやすいオフィスを提供してくれる企業で働きたいと思うのは当然のことです。興味を持ってくれる方が増えれば優秀な人材の確保もしやすくなり、企業にとっても大きなメリットになるでしょう。
従業員のモチベーションアップ
オフィスのデザイン性が向上し、使い勝手がよくなることで、もともといた従業員たちのモチベーションアップも期待できます。1日の多くを過ごすオフィスが快適になることで、より自分の力を発揮しやすくストレスを減らすことができるからです。
そしてモチベーションが上がると生産性の向上にも繋がり、企業への貢献度も高まっていくはずです。またオフィスが快適であれば会社への愛着が湧きやすく、満足度も高まるため離職率を抑えられる可能性も高くなります。
従業員のコミュニケーションの促進
従業員同士のコミュニケーションを促進するためにも、オフィスデザインを変更することで大きな効果を得られることがあります。たとえばフリーアドレスにすれば普段業務上関わりのない方とも接点を持つことができ、そこから新しいアイデアを生み出せることもあるでしょう。
また従業員が気軽に集まれるミーティングスペースや休憩スペースを設置することで、コミュニケーションを取るきっかけを作ることもできます。社内に相談できる相手がいたり刺激をもらえる相手がいたりすることで、モチベーションアップや生産性の向上にも繋がる可能性があり、企業にとって大きなメリットになることが考えられます。
オフィス移転・デザインの費用と料金相場
オフィス移転やオフィスデザインを依頼する場合に、多くの方が気になるのが料金についてではないでしょうか。依頼してから後悔しないためには、オフィス移転にどのような費用がかかるのか、そして費用相場を知っておくことが大切です。
オフィス移転にかかる費用は4種類
オフィス移転には大きく分けて4種類の費用があります。まずはその4種類について詳しく見ていきましょう。
引越し費用
引越し費用には荷物を運搬して設置するための費用と、不用品を廃棄する場合に処分費用がかかります。引越し料金ばかりを気にしてしまいがちですが、引っ越しの際にものを整理すると、意外と不用品が多く出てくることも珍しくありません。そのため引越しと併せて処分費用もかかることを理解しておきましょう。
新オフィスの費用
新しいオフィスを利用するための費用としては「不動産取得費用」「内装工事費用」「ネットワーク工事費用」「什器購入費用」などがあります。とくにネットワーク工事はセキュリティを厳重にしたい場合やサーバーを設置する場合などには、通常よりも費用がかかることがあります。また不動産取得費用は大きな出費となるので、予算をしっかりと組んで検討することが大切です。
原状回復工事費用
オフィスを移転する場合、多くの場合で現在のオフィスを借りる前の状態に戻す、原状回復工事が必須とされています。原状回復工事は利用状況やオフィスの広さによっても大きく変わるので、事前にしっかり確認しておきたいポイントでもあります。
デザイン費用
新しいオフィスのデザインをしてもらうために必要な費用です。レイアウト設計費のほかに、内装工事費なども含まれます。デザイン費用はどこまで依頼するかでも大きく変わりますが、すべてをデザイン会社に任せる場合はより費用が高くなるので注意が必要です。
料金相場について
引越し費用は社員1人あたり約3万円が相場といわれています。社員数が10人であれば30万円、100人なら300万円が引っ越しだけでかかることになります。また不用品の処分については量に応じで大きく変わるので、事前に見積りしてもらい検討することが大切です。
新オフィスの費用のなかで、内装工事は1坪10万円が目安とされています。またネットワーク工事は1人あたらり5万円が相場で、内容によってさらに高くなることもあります。不動産取得費用は敷金や礼金、仲介手数料、前家賃、火災保険がかかり、物件のエリアや広さ、立地によっても大きく変動します。
原状回復工事は東京23区で20坪以上50坪以下の小型ビルの場合、坪単価3万円程度が相場です。ただし大型のビルやタワービルの場合は、坪単価4~5万円程度となることもあるので注意しましょう。
デザイン費用はレイアウト設計費として25万円~50万円、設計管理費として15万円~40万円が目安となります。ただし依頼する範囲や内容によっても金額が大きく変動するので、これらはあくまでも目安であることを理解しておきましょう。
オフィス移転業者を選ぶ時に重視したい点は? WEBアンケートで調査!
ここまでオフィス移転業者について、さまざまな視点で解説させていただきましたが、いざオフィス移転業者を選ぶときにどのようなポイントを重視して決めればいいのか、迷われている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな悩みをもつ方のために、「オフィス移転業者を選ぶ時に重視したい点」についてアンケート調査を行いました。どんな回答となったのか、詳細を見てみましょう。
第1位は「原状回復工事など退去後の対応も可能か」でした。新しいオフィスに移転する前に、借りていたオフィスをもとの状態に戻す原状回復工事をおこなう必要があります。原状回復工事の一般的な工事範囲は「壁のクロス・塗装」「床のカーペット張り替え」「ブラインド交換・クリーニング」など多岐にわたりますが、どこまで対応してもらえるかは業者によって異なるので依頼前に必ず確認しましょう。
第2位は「オフィスのレイアウト能力はあるか」でした。使いやすいオフィスにするためにはレイアウトが大変重要です。レイアウト能力のオフィス移転業者を利用して生産性の上がる空間に作り上げてもらいましょう。
第3位は「移転後のアフターフォローに対応しているか」でした。移転後に追加の什器が必要になったり、急な困りごとでメンテナンスが必要になる場合もあります。アフターフォローにも対応しているオフィス移転業者を選べばそんなときにも頼りになるでしょう。
第4位は「デザイン性の高いオフィスを提案してくれるか」でした。デザイン性が高くおしゃれなオフィスは社員のモチベーションを向上させます。それだけでなく作業の効率を上げたり社内全体の雰囲気をよくしたりとメリットは多いです。
どのようなデザインが合うのかは社員の人数や働き方など、会社ごとにそれぞれ異なるため、現状をしっかり把握して最適なデザインを提案してくれるオフィス移転業者を選びましょう。また、中にはニーズに合わせた家具までも選定してくれる業者があります。そのようなところに依頼すると、家具を選ぶ時間と手間を削減できるだけでなく統一感がありより洗練されたオフィスに仕上げることができるでしょう。
そして第5位が「搬入・搬出計画を立案する能力はあるか」でした。詳細まで計画を立てスムーズな搬入・搬出をおこなってくれる業者ならスムーズなフィス移転が実現できます。こちらも忘れずチェックしておきましょう。
アンケートの結果は以上となりますが、オフィス移転業者を選ぶにあたって参考になる内容であったなら幸いです。次の見出しでは、東京でオフィス移転業者の選ぶ際のポイントについて、さらに詳しく解説させていただきます。
【東京】オフィス移転業者の選び方のポイント
東京でオフィス移転を行なう場合、業者の数も数え切れないほどあるので、どこに依頼すればいいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、ここではオフィス移転業者を選ぶ際にチェックしたいポイントをいくつかご紹介します。
多彩なレイアウト・デザインを用意できるか
オフィス移転業者に依頼する大きな目的は、移転作業を行ってもらうことと快適なオフィス環境をデザインしてもらうことです。そしてオフィス移転を成功させるためには、依頼する企業の求めているデザインや機能性を考慮した、多彩なレイアウトやデザインを用意できるオフィス移転業者に依頼することが重要なポイントとなります。
従業員のモチベーションが上がり使い勝手がいいオフィスにするためには、見た目ばかりにこだわったレイアウトやデザインではなく使い勝手や動線、そのデザインによって生まれる効果なども兼ね備えている必要があります。だからこそ、提案力がありオフィス移転だけでなくトータル的に任せられる業者に依頼するべきでしょう。
たとえば移転やデザインとアフターフォローのすべてを行ってくれるような業者であれば、移転する前もしてからも満足度が高いはずです。ぜひオフィス移転の目的をしっかりと把握し予算や希望に合わせて、柔軟に提案や対応ができるオフィス移転業者を選びましょう。どの範囲に対応しているかは、各業者の公式サイトなどでチェックできるので、あらかじめ確認しておくと依頼してからもスムーズです。
業者の実績や経験をチェックする
これまでにどのようなオフィスデザインや移転を手掛けてきたのか、その実績や経験もオフィス移転業者選びの際に重視したいポイントです。実績は業者の公式サイトに納入実例などとして掲載されていることも多く、それを見ればどの程度の規模の移転を行ってきたいのか、どのような業種への対応経験があるのかがわかります。
業者によっては大企業を得意としている場合もありますし、中小企業の実績が豊富な業者もあります。実績や経験は提案力にも繋がる部分であり、より最適な提案をしてもらうためには、自社の目的や規模、業種などに近い移転を行ってきた業者を選ぶことが大切です。
また業者自体の実績や経験のほかに、担当してくれるスタッフの対応力や対応体制なども確認しておくのがおすすめです。すばらしい実績のある業者でも、担当者が信頼できない人物であれば安心して移転を任せることができなくなってしまうからです。担当者の対応などについては実際に話して、提案をしてもらってから判断することになるので、まずはお問合せをしてみましょう。
業者のサービス範囲を確認する
オフィス移転業者を選ぶ際には、サービス範囲についても確認しておくと安心です。たとえば移転先のビルが古い場合に改修工事もまとめて依頼できたり、またもとのオフィスの原状回復工事に対応していたりすれば一括ですべて任せられるので便利です。
またオフィス家具の手配やネットワーク工事などにも対応していると、移転に関わるすべてをトータルで依頼できるので余計な手間を減らすこともできるでしょう。オフィス移転業者は提供しているサービスがそれぞれ異なり、なかには移転作業をメインで行っていたりデザインをメインで行っていたりする会社もあります。
そういった業者だと、依頼できない部分があった場合に、改めて足りない部分に対応してくれる業者を見つけなければならなくなるので依頼者の負担が増えてしまいます。よりスムーズに移転を完了させるためにも、ぜひ対応範囲の広いオフィス移転業者を選びましょう。
アフターフォローの有無を確認する
オフィス移転は一度完了すればそれで終わりではありません。実際に使っていくうえで変更が必要になったり、また定期的にレイアウトを変えたいという企業も少なくないでしょう。そういった場合に、アフターフォローが充実しているオフィス移転業者に依頼しておけば、すぐに依頼できて便利です。
また移転後に追加で什器などが必要になった場合に、追加で発注してくれたりそのメンテナンスを行ってくれたりする業者ならさらに安心感があります。だからこそ、移転後に少しでも困ったことがあれば、すぐに相談できるような体制を整えているオフィス移転業者がおすすめです。
またオフィスの図面は社内で管理していくのが大変であり、更新が滞ってしまうこともあります。そんなときに什器の位置変更時などの図面更新を行ってくれる業者であると安心です。つねに最新の図面に更新していると、今後レイアウト変更や増員計画などをする際にも役立ちます。
移転してからもオフィスをよりよくしていきたいのなら、このようなアフターフォローのあるオフィス移転業者を選びましょう。
オフィス移転のポイントを押さえ自社の働き方に合ったオフィスづくりを実現しましょう
オフィス移転は一般的に頻繁に行うことではないので、わからないことが多い企業や担当者も少なくないはずです。オフィス移転を成功させるためには、今回ご紹介したようなポイントをおさえて自社の希望に合わせた提案を行ってくれるオフィス移転業者を見つけましょう。
東京にはたくさんのオフィス移転業者がありますが、まずは施工事例などを見て気になった業者にお問合せをして相談してみてください。最適な提案や対応をしてくれる業者と出会うことができれば、オフィスの環境改善や社員のモチベーションアップなどさままな効果を期待できるでしょう。