オフィス移転作業の流れ
東京ではオフィス物件の数が多く、それぞれの企業のニーズに合わせて移転することが比較的容易です。しかし、オフィス移転は新たなオフィスに引っ越すという作業だけではなく、さまざまな要素が関係します。どんな流れで移転を進めるのが最善か知っておかないと本来の業務に支障が出るでしょう。この記事では、オフィス移転作業の流れをご紹介します。
移転を決定する前から移転準備段階で行うこと
東京でオフィス移転を考える場合には、まずオフィスを移転する目的を明確化しておくことが大切です。今のオフィスでは足りない要素をしっかり把握することで、どんな物件を必要としているかを明らかにし、ぶれない物件探しができるからです。
その情報をもとに新しいオフィスを選定しますが、それと同時に今までのオフィスの解約を行う必要があります。一般的に、オフィス物件の退去に際しては6か月前にオーナーやビル管理会社に対して解約予告の通知を出すことが通例です。小さなオフィスの場合は3か月程度の場合もありますが、直前になって解約を申し出ることにならないよう、賃貸契約書などを確認しておくことが大切です。
新しいオフィスが決定したら、オフィスレイアウトを作成して内装・電気・通信・空調などそれぞれの業者に発注をかけます。そのために、社内の各部署に必要なスペースを割り当て、加えて会議スペースや応接室などの配置を決定します。内装工事に関しては、移転の目的や企業のイメージに合うようにすると入居後の満足度が高くなるはずです。
電気・通信・空調工事は、他の物件とのかね合いなどがあるため、オーナーや管理会社から業者を指定される場合があります。その際は、内装工事業者と日程がかぶらないようにスケジュールを立てる必要があるのです。なお、新しいオフィスのレイアウト作成は移転前の4か月ほど前、工事依頼は3か月前くらいにするとよいでしょう。
引っ越し準備でやるべきこととその流れ
オフィスの移転先やレイアウトなどが決まったら、引っ越しに向けた準備作業に入ります。まずは引っ越し業者の選定を行います。東京でのオフィス移転の場合、時期によっては予定していた日程で引っ越しをすることが難しくなることが考えられます。約2か月前までに複数の引っ越し業者に見積もり依頼をして、金額とともに作業内容を確認するようにしましょう。その際、とくに作業の範囲や廃棄物の処分の可否などを確認すると引っ越し時のイメージがわきやすいでしょう。
それと並行して、今のオフィスで使用している備品を精査し、処分するものと新たに購入するものを考え、早めに選定・購入の手続きをすすめます。オフィス家具の選定と発注は、レイアウトが完成してから1か月ほどで行うとよいでしょう。
さらに、移転の1か月ほど前に取引先への移転案内の通知を発送します。加えて、社内用の引っ越しマニュアルを作成します。オフィス移転の社内向けの通知は、社内の調整を付けやすいよう、移転の決定がされてからすぐに行いましょう。また、引っ越しまでのスケジュールも決まり次第案内します。その後、引っ越し準備の役割を明確化し、作業分担を決めます。
引っ越し業者からはオフィス移転の約1か月前に梱包材などが送られることが多いようです。業務に支障が出ない程度に少しずつ作業を進めるために、必要な梱包材を各部に配布します。その際、データのバックアップなども行うとよいでしょう。
オフィス移転の前後に行うべき事柄
オフィス移転の当日は、今まで使用していたオフィスに荷物の積み残しがないかどうかをチェックします。また、移転先で荷物の搬入に支障がないかどうかも確認しましょう。そのため、旧オフィス・新オフィス両方に人員配置します。
新しいオフィスに無事荷物が運ばれたら、今までのオフィスの原状回復工事に着手します。原状回復工事は、オーナーや管理会社から指定が入る場合があるため、事前に確認して意向に沿うような形で作業を進めていかなければなりません。
さらにオフィス移転をすると、会社の登記などさまざまな届け出をする必要があります。法務局・税務署・社会保険事務所・労働基準監督署・公共職業安定所などで、それぞれ移転後の届け出期限が決められているので、確認して速やかに届け出を済ませるようにしましょう。また、郵便局で「郵便物届出変更届」を提出しておくと、旧住所に届いた郵便物を1年間無料で転送してくれるので、移転後すぐに届け出をすることを忘れないようにしてください。
また、ホームページを持っている企業であれば、ホームページの住所を変更し、さらに名刺も新たに作成しなおします。移転先によっては電話番号が変わる可能性もありますので、必要であればそちらも変更します。移転後に不要になった段ボールなどの梱包材は、引っ越し業者が引き取ってくれない場合、新しいオフィスの処分規定に沿った形で出すことが大切です。
東京でオフィス移転を行う場合は、まず移転の目的を明らかにしたうえで、作業内容と流れを考え、ゆとりのあるスケジュールで進めていくことが大切です。また、旧オフィス・新オフィスのオーナーやビル管理会社との契約や意向を確認し、作業・手続きを行うことで無用なトラブルを避けられるでしょう。